営業利益と経常利益のよく見る図に潜む間違い

2024年3月2日土曜日

03_お金の話

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営業利益と経常利益の関係を誤解させる図

MBAでファイナンスの講義をとって、より財務諸表への感度が高まりました。企業の経営状況を見るときに外せないのが営業利益や経常利益などの様々な利益や利益率の変化です。

大まかな説明として営業利益はその企業が本業で生み出した利益経常利益はそこに営業外の収益や支出を加味した企業としての利益になります。

そういう大まかな理解を持った上で、様々なサイトでよく示されているこれらの図を見ると違和感を感じずにはいられませんでした。

例えばマネーフォワードの会計に関する解説記事。当期純利益の説明に用いられている図なのでそこに赤枠がついていますが気にせずに営業利益を見ると、書き方として「営業利益=経常利益+営業外収益ー営業外費用」と見えます。しかし上記の通り、経常利益というのは営業利益に対して営業外活動の収支を加味したものです。マネーフォワードも記事内ではそのように説明していますので図が間違っているのです。

引用:https://biz.moneyforward.com/accounting/basic/44789/


問題は、この間違った図があらゆるところで使われていることです。

セゾンカードの解説ページでも似たような図があります。間違っています

引用:https://www.saisoncard.co.jp/credictionary/accounting/arari_117.html


doda(デューダ)の解説記事です。これも同じ間違え方をしています

引用:https://doda.jp/companyinfo/contents/finance/015.html



正しい図を発見

これだけ皆が同じ図を使っていると、自分の理解が間違っているのか?と思ってしまいます。しかし私と同じ疑問を持つ人もいました。

Yahoo!知恵袋:https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q14255996989


そして遂に(?)正しい図を書かれているページを発見しました。出所が会計の書籍となっているので安心です。


引用:https://www.y-itax.com/keiri/3218/ritsu


この図の通り、営業利益に対して営業外収益を加算し、さらに営業外費用を差し引いたものが経常利益となるわけです。最初に述べた定義を正しく書き表した図であり、これでやっと腹落ちしました。やはりそうだよな、と。


まとめ

財務、会計は定義がかなり複雑な上に、企業によって調整という名の下に少しずつアレンジをしていたりします。それはその企業の財務状況を正しく示すために必要な行為なのでしょうが、企業を横並びで比較したい第三者からすれば大変ややこしいです。

そんな財務・会計の分野で、このような少しのミスリードをする図が大手企業まで広がってしまっていることは大変よくないことだと思います。生成AIのような技術が広まっている中で、今後は尚更ネットの情報を検証する事の重要性が高まっていく、高めていかねばならないと感じた事象でした。









名前: FMA

名前: FMA
国内日系企業で働きながら海外MBA (Anglia Ruskin University: ARU)に挑戦しています

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